引きこもったほんとうのたべもの
見た目は周りと 変わらないのに
人と同じには なぜかできない
 
日暮れに肩落とす 西日に伸びた影は儚く
人生の旅 あり金尽きて
ついの居場所は 見つからなかった
 
群れにはぐれた 白鳥の雛は
醜いアヒルの 烙印を押され
耳をそぎ 犬死にした絵描きは
生きていたなら 報われたろうか
 
  縄跳びの輪に 入れなかった
大波小波 うまく乗れない
見た目は周りと 変わらないのに
人と同じには なぜかできない
 
隠れるように 煙草を吸った
時代遅れの 夢の吸い殻
場末の店で 冷たくされてた
誇りをなくした 老人のように
 
優等生と 噛み合わなかった
古い仲間も 雲の上になり
昔のように 呼び捨てもできず
懐かしさこらえ 気付かぬ振りした
 
人にはそれぞれ 個性があって
やればできると 軽く言うけど
生きる辛さも 人それぞれで
思い通りに 生きていけない
素直な気持ち 口にした日から
やさしかった人 よそよそしくなる
大きな罪も ほとぼり冷めれば
許される人は 何が違うのか
 
運の善し悪し あったとしても
いつか星に なれると思ってた
だけど気がつけば 深い海の底
若い奴らが 空を駆けてた
 
頑張れた人 ふりまく元気に
余計落ち込む 人生もある
 
何かを求めて 歩いてきたのは
出口の見えない 迷い道だった
人にはそれぞれ 能力があって
やればできるはず 軽く言うけど
見た目は周りと 変わりはなくても
人と同じには なぜかできない