10年はふた昔 行方知らぬ人よ
似たようなプロフィール たぐっても届かず
この先何年生きたとしても
傷つけた人たち癒やせるだろか
身の丈を越えてはかなき 言の葉燃え上がる
10年はふた昔 何もできないまま
行き慣れた街角に立つ あの日の影を踏み
網の目の中で生きていく
足跡一つでわかり合えるの
野良犬に追われるような 止まれない毎日
つながることに疲れてもなおさら
会えない出会いの波にもまれて
呑み込んだ言葉 作り笑いに変えて
やさしい人になる
10年はふた昔 戻れない年月
越えられぬ淵の向こうに 赤い花が咲いて
幾千万年刻まれた
記憶の螺旋が組み替えられる
畏れなき人のいとなみ 蜘蛛の糸は切れた
戻れぬときを取り戻せるならば
いったいどれだけ戻ればいいの
今日より明日が輝いてた時代
遠い日の幻
10年はふた昔 故郷は遠く
泣きそうな愛のおわりに 返らぬ日を思う
返らぬ日を思う